後立山南部(長野) 爺ヶ岳(2669.9m) 2018年8月25日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 3:53 柏原新道登山口−−6:25 種池山荘−−7:03 爺ヶ岳南峰−−7:19 爺岳中峰−−7:57 種池山荘−−9:24 柏原新道登山口

場所長野県大町市/富山県中新川郡立山町
年月日2018年8月25日 日帰り
天候雨時々止む、稜線上では場所により強風
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場登山口前に駐車場あり(6,7台)。橋を渡った対岸の駐車場は今年は利用可能
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望大展望だがこの日は雨が降り遠望無し
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コメント日本海にある台風崩れの低気圧の影響で湿った南風が吹き込んで悪天が予想されたが体力維持を兼ねて爺ヶ岳へ。出発時は小雨だったが途中で本降りになり傘が活躍。種池山荘付近は予想外に風が弱かったが稜線を進むと徐々に強まりゴアの雨具に変更。雨と強風の中、雷鳥親子に遭遇。南峰と中峰に登ったが雨と強風のため休憩無しで下山した。悪天にも関わらずたくさんの人が登ってきたのには驚いた。今回は痛めた右膝保護のためシングルストックを使用したが、使い慣れないため上り下りとも時間がかかった。でも効果はあったようで右膝の悪化はほとんど無かった




柏原真道登山口前の駐車場。ほぼ満杯 扇沢駅の明かり
標高1750m付近のケルン 標高1890m付近から見た種池山荘
雨の石畳を傘をさして歩く ガレ場の雪渓は完全消失
森林限界突破 種池山荘から爺ヶ岳へ
下界も雨に煙っている お花畑は黄色く色づき始めていた
雨の稜線を行く。強風で傘からゴアに切り替える 扇沢方面に虹が出た
悪天だと雷鳥が出やすい。雛は3羽 種池山荘を見下ろす
後続も雷鳥に逢えたようだ 爺ヶ岳南峰
爺ヶ岳南峰から西を見る 爺ヶ岳南峰から見た爺ヶ岳中峰
爺ヶ岳南峰から見た安曇野方面。北アルプスは全て雲の中
南峰〜中峰鞍部南の雪は欠片も残っていなかった 縦走路から中峰山頂へ
もう真っ赤な葉っぱもある 強風と雨の中、鹿島槍方面へ向かうパーティー
爺ヶ岳中峰山頂 中峰から白沢天狗尾根方面
下山中に見かけたMTBを持ち上げる若者 雨が降ったりガスに突っ込んだり
登山口近くの崖崩れ 登山指導所は無人のまま
対岸の駐車場。結構入っている 登山口前駐車場。雨が降りしきる

 今週に入って再び暑さが戻り、台風が通過しても暑いまま。台風一過とはいかず天気図を見ると週末は南から湿った風が入って特に高山は天気が悪そう。等高線の間隔からして北アルプスの山の上は強風も予想された。右膝の状態もあって山を休もうかとも思ったが、もう週末の山登りはルーティーン化しており、多少の雨が降っても出かけない方がストレスになってしまうほど。雨とガスで展望が無くても許容範囲の爺ヶ岳に向かうことにした。他にも候補地があったが雨や風の影響を考えると樹林帯が長い爺ヶ岳が傘が使える時間帯が一番長く、ゴアと違ってムレる心配がないので快適性が増す。

 今回は右膝痛対策で安物のストックを導入した。登りはいいが下りでは右膝にかかる負荷を軽減しないとすぐに痛みがぶり返すのだ。さて、どの程度の効果があるだろうか。

 柏原新道登山口反対側の駐車場は金曜夜でも半分ほど埋まっていた。金曜の天気は台風の影響でかなり悪かったはずなのだが、これほど車があるのには驚きだ。夜の間も雨が降ったり止んだりで、南風なので標高1300mを越える登山口でもあまり涼しくはなかった。明日の天気も良くないのに夜中に扇沢方面へ何台も車が上がっていった。

 翌朝、どうせ天気が悪いだろうといつもより30分遅く3時半に起床、軽く朝飯を食って4時前に出発。上空には雲の隙間があるようで一部星が見えるが稜線方向は真っ暗。たぶんガスがかかっているだろう。細かな雨が降っているがごく弱く雨具は不要だが、この後はどうなるか分からないので傘とゴアを持つ。たぶん山頂は強風とガスで休憩できるような状況ではなくとんぼ返りとなると予想し、防寒具は最小限に留めて飯も持たずにドリンクを200ccほど。小さなアタックザックに収めた。これだとアタックザックを背負ったままゴアを着用できてザックが濡れないのがありがたい。

 ライトを点けて真っ暗な登山道を歩き出す。前にも後にも登山者のライトの明かりは見えない。見える明かりは下界の扇沢駅と、稜線上の種池山荘だけだ。山荘の明かりが見えるということは山荘にはガスがかかっていないということだが、針ノ木岳方面は全くシルエットが見えず、雲の中に沈んでいるようだ。まあ、これも想定の範囲内だが。

 最初は弱かった雨が徐々に強まるが背の高い樹林帯では木の葉が傘替わりで雨具は不要だったが、高度が上がって背の高いシラビソやネズコからダケカンバが中心になると傘の出番。強弱はあるが本降りの状態もあり、久しぶりに水がたまった登山道を歩く。予想と違ってほとんど風が無いので傘が大いに役立った。明るくなっても下ってくる登山者は皆無で、いつもの週末とは様相が異なる。雨のため種池山荘の出発を遅らせているのだろうか。

 森林限界を超えて種池山荘へ。いつもの週末のこの時間は小屋前は登山者で賑わっているが今日は数人が出発準備中。この時間帯は雨は止んでいたが、南を見ると霧がかかったように霞んでいるのであちらは雨が降っているようだ。当然だが蓮華岳〜針ノ木岳、立山、劔、鹿島槍ヶ岳とも深い雲に隠れて全く見えなかった。爺ヶ岳南峰はかろうじてガスの下だったがいつガスがかかっても不思議ではない天気だ。

 山頂に立っても展望は無いが今回は体力トレーニングの意味合いが強いのでこのまま山頂へ向かう。南斜面のお花畑は緑色が褪せて黄色くなりかかっていた。コバイケイソウもすっかり枯れて茶色くなっていた。先週の冷え込みの影響が強いだろう。背の低いシラビソ樹林帯を通過すれば背の低いハイマツの稜線へ変わる。高度を上げると徐々に風が強くなり、雨は弱くても風と共に横から吹き付けて体を濡らすのでゴアを着用。扇沢方面の一部斜面に雲の隙間から直射日光が僅かに差し込んでいる箇所があり、短い縦の虹が出ていた。

 ハイマツの稜線を登っていると島のように点在する砂礫帯で雷鳥親子を発見。この天気なら雷鳥が出てくる可能性が高いと思いながら周囲を見渡しながら歩いた甲斐があった。子供は3羽、もう少しで親と同じくらいの大きさになるくらいに成長していた。後続の大パーティーが私が雷鳥を見たのと同じ場所で立ち止まっているのが見えたので、あちらも雷鳥親子に出会えたようだ。

 標高が上がると暴風が強くなってきたが、気温は先週より10℃近く高く+14℃程度で手袋が無くても問題ない程度だったので助かった。出るときに防水手袋を持ってくるのを忘れてしまったのだった。まずは爺ヶ岳南峰に立ち寄るがかなりの強風。ここはギリギリでガスがかかっていないが周囲の山は雲の中。下界の大町や安曇野方面にも低い雲がかかっていた。中峰に登っている最中のパーティーのカラフルな雨具とザックカバーが見えていた。

 写真だけ撮影して中峰へ。南峰と中峰間鞍部南側の雪は完全に消えて無くなっていた。私が中峰山頂に到着するのと入れ違いで先行パーティーが鹿島槍方面へと下っていった。こちらの山頂も風が強く、小雨の中でガスがかかったり切れたり。休憩するような天候ではないので写真撮影して下山開始。南峰の登り返しではますます風と雨が強まり、ゴアの裾から靴下を伝って靴が浸水しそうな勢いなので防水目的でショートスパッツを装着。考えてみれば雨具として使うためにゴアを着たのも久しぶりだ。この雨でも鹿島槍方面へ縦走するパーティーが他にもいて何組かすれ違った。でも今日は一日悪天が続き、午後は雷雨の可能性が高い。

 南峰を巻いて種池山荘への下りは強風と本降りの雨。こんな天候でも登ってくると登山者とすれ違う。同じ稜線でも種池山荘が近づくと急激に風が弱まるのは大助かり。同時に雨も弱まりゴアを着なくても少し濡れる程度なので自分のかいた汗で濡れるのを考えるとゴアを脱いでもいいのだが、まだゴアはびっしょり濡れたままなので少し乾くまで待ってから脱ぐことにしてそのまま歩いた。

 下りでは本格的にストックの出番だが、実際に使ってみると右膝への体重を分散するため右手のストックに体重をかけるのはなかなか大変で、かなりの腕の力を必要とする。現在では登山者の大半でストック使用が見られるが、実際に使ってみるとほとんどの人はバランス補助にしか使っておらず、膝の負荷分散にはなっていないことが良く分かった。また、ストックに体重をかけるような使い方ではストックで突く場所の選択肢は意外と狭いことが分かった。特に岩々した場所では足を置ける場所でもストックでは滑ってNGな場所も多かった。ストックの先端にゴムが付いていても意外と滑るのだった。バランスを取る程度の軽負荷なら大丈夫かもしれないが、まじめに体重をかける場合はストックの置き場所の判断は重要だった。

 小屋前の登山者はこの時点でも数人と少なかったが、小屋から下山にかかるとこの天候でも続々と登山者が登ってくる。中にはツアーのパーティーも。予想以上の人数で、通常の週末よりちょっと少ない程度だと感じた。小屋直下から樹林帯に入るためある程度雨が避けられるためか、雨具を着用した人、しない人と様々であった。小屋から下り始めてしばらくは雨が降っていなかったことも大きいだろう。でもこのまま雨が止むかと思ったらそんなことはなく、再び本降りの雨が。でも背の高い樹林帯では頭上に大きく張り出した大量の枝のおかげで登山道はガードされていた。しかし長時間雨が降り続けると葉に付着した水滴が落ちてくるようになり再び雨具の出番。でも樹林帯は風が無いので傘が使用可能。でも傘を使っているのは数人程度。傘の良さをみんな知らないんだなぁ。

 登山口に戻るころにはすれ違う人はいなくなったが、登山口にはこれから登る3人と、対岸の駐車場からザックを背負ってこちらに歩いてくる単独行者。プレハブの登山案内所は週末だが無人で、悪天だから人がいないのか、それとも夏山シーズンのピークが終わったのでもう人がいないのかは不明。 登山口でも雨が降りしきり、着替えは車のバックドアの下で雨を避けながら。でも雨のおかげで日差しが無く今日は大汗をかかずに済んだ。車に乗って下界に向かうと急激に天気は回復。雨が降っているのは山の周辺だけで、大町市街地は雲の切れ間から太陽が顔を出していた。長野市付近まで達すると雲はさらに少なくなりきつい日差しと30℃を越える高温に。この日の長野市の最高気温は35℃を越えていた。

 さて、下りでのストックの効果だが、下山翌日の膝の状態は比較的良好で登山前よりも痛みは引いていたので、ストックの効果はあったようだ。まだしばらくは膝の様子を見ながらストック併用で無理をしない範囲でのアルプス登山が続きそうだ。涼しくなって高低差が少ない日帰りの藪山に切り替われば膝への負担は減ってストックは不要になり膝の回復も早まるだろうが、今年は涼しくなるまでにまだしばらくかかりそうだ。

 

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